なぜミュージカルが好きなのか。

ミュージカルが好きなんです、と話すと、

へー、お芝居とミュージカルって何が違うの？

なんで突然歌い出すの？

ミュージカルって劇団四季？？

とよく言われます。

またミュージカルの中でダンスが好きなの？歌？芝居？

とかもよく聞かれます。

私見ですがミュージカルは、芝居、歌、ダンスの総合芸術だと思っています。

どの要素が多いのかというと、作品によって全く異なります。

歌メインで進むエリザベートやLes Misérablesのような作品もありますし、ダンス中心でいうと劇団四季がやっているCATSやAn American in Parisなどあるのかなと。

(比較的有名な作品で例を書いてます)

 私はどの作品も、芝居と歌とダンスのバランスではなくその手法を使って１つの作品をいかに表現するかで好きな作品、そうでない作品など見ています。

やっぱり３つの手法といえどそれぞれの表現の幅はとても広いです。

歌も、クラシックやロック、ジャズ、有名人の曲特集的なもの、最近のHamiltonという作品ではラップまで出てきています。

ダンスも、バレエ、ジャズ、コンテンポラリーはもちろん最近のブロードウエイミュージカルにはタップダンスが必須かのように登場します。

なんなら楽器を弾きながら舞台に出る役者もいるほど。

そこまでの幅があることを考えると１つの作品を作る苦労は計り知れないです。

そしてその表現一つ一つがストーリーのシーンにマッチしていて、芯をついていないと違和感を覚えてしまうのです。

なんでいきなり歌い出すの？という質問に関しては、

残念ながらそういった違和感を覚えさせるような作りとなってしまっていたり

違和感を感じさせるような表現をしてしまっているからなのだと思っています。

ミュージカルの表現である歌・芝居・ダンスは、日本人はまだまだ不得手なジャンルなのかなぁと感じることもあります。

いわゆる自己表現をからだを使ってめいいっぱいやることって

幼少の頃からそこまでやってこなかった人が多いのではないでしょうか。

私自身、サークルに入っていた時舞台に立っていたこともありながら、

台本がないと何も表現できなかったし、自由にやっていいよっていう言葉が一番恐怖でした・・・（全然向いてない。。。）

そこを想像を超えて飛び出してくるんじゃないかというくらい力一杯体以上のパワーで表現してくるミュージカルが観れる場所が、ブロードウェイだと思っています。

ブロードウェイの役者さんはもはやアスリートだと思っていて、

身体能力がもはやアーティストではないのではないかというほど・・・

私自身過去7度NYに渡りブロードウェイミュージカルを見ていますが

毎度毎度わかっていても驚かされます。むしろ想像を超えてきます。

サーカス的な要素があるのでしょうか笑

そしてやはりオンブロードウェイで上演される作品の質の高さにも脱帽します。

なぜ歌うのか、なんて感じたこと一度もありません。

むしろ歌うことで感情がどばーーーーっと入ってきたり、

踊ることでその空気感を見ている側も感じとれたり。

なんとも言えない臨場感が生まれるのです。

そのお話の世界が目の前で実際に行われているかのような空気感で、観るではなくもはや「体験する」ことができるのです。

また、題材となるミュージカルのメッセージもとてもシンプルながらに誰にでも刺さるものが多いです。

家族愛、友情、夢を追うことの大切さ、自分に素直に生きること、人と人との出会いの尊さ、自然の雄大さ、歴史上の人物の生き様　等々・・・

真面目でいつも人が心に感じる「人として大切なこと」をあえて歌って踊っておどけたりしながら、芯となるメッセージを伝えていくのです。

愛って大事だよね、家族って大切だよね、って直球に言われるよりも

オシャレじゃないですかw？？？ 

私はそんなミュージカルに惹かれました。

そしてミュージカルからたくさんのメッセージを受け取り私自身の人格の形成もされてきていると思います。

まだまだ日本では、なんで歌うの？ミュージカルって眠くない？って言っている人たちが

どうか私が素晴らしいと感じたようなミュージカルの作品に込められたメッセージを受け取ってくれると嬉しいなぁと思い、

私はミュージカルのプロデューサーになりたいと思いました。

良い作品を作ること、

その作品のコアメッセージを伝わる手法で伝えること、

そして何よりもお客さんに見にきてもらうこと

たくさんの要素が備わらないとなかなか実現しない世界ですがいつか私も誰かのための人生に関わるようなメッセージが伝えていけるようなお仕事ができればなと・・・

思っています。

ちょっと真面目なお話でした。